クエンカのパノラマ

クエンカおよびその周辺の自然の中で過ごす週末

Cuenca

クエンカ県にある市町村観光スポット、そして県内で楽しめる無数のアクティビティは、今すぐ訪れたり参加したりする価値があるものばかりです。数日間の短い旅行に組み入れるにはうってつけです。「世界遺産の町クエンカ」から、目もくらむような峡谷や奇想天外な形をした岩の集まりを擁する「驚くような自然」まで、見どころはさまざまです。今回ご紹介するルートを利用すれば、それを確かめることができるでしょう。   

クエンカ市と市内の必見スポット

城塞都市クエンカはユネスコの世界遺産に登録されています。この町を訪れると、町を如実に象徴する場所をいくつか発見することになります。- 「宙吊りの家」「クエンカの急斜面にある家」とも呼ばれています。まさに、この町のシンボルです。「宙吊りの家」という名は、ウエカル川の峡谷の上に突き出るようにして構える、大きなバルコニーに由来しています。その屋内にはスペイン抽象芸術美術館が入っているのをご存知ですか?- 「宙吊りの家」はサン・パブロ橋を渡った向かい側から眺めるのが最高です。可能であれば、日中と夜間の二度にわたり足を運んでみてください。ライトアップされた周囲の様子に魅了されることでしょう。- クエンカのサンタ・マリア・イ・サン・フリアン大聖堂は、その大部分がゴシック様式でできているものの、ロマネスク様式とネオ・ゴシック様式の要素も併せ持っています。この大聖堂もまた、クエンカを代表する美しい建造物であるため見逃すことはできません。マヨール広場に面したメインファサードからも、大聖堂内部からも、その姿を堪能してください。

クエンカの「宙づりの家」

- クエンカの高層建築は全部で30棟の建物で構成されています。アルフォンソ8世通りに面した側には4階建てと5階建てがある一方、ウエカル峡谷に面した側には8階建てや10階建てまであり、全体として非常に独特かつ人目を引く建築群を構成していることから、一見の価値があります。- 「ラス・アングスティアスの下り坂」も楽しめるスポットですので、ご訪問をおすすめします。この通りにはヌエストラ・セニョーラ・デ・ラス・アングスティアス礼拝堂が建っています。 次のような場所を含めれば、必見スポットのリストは長くなる一方です。クエンカ城、ウエカル川に沿って散歩するのに最適なロス・ティンテス通り、アルフォンソ8世通り…。少しのあいだ散策するだけで、さらに多くの発見が得られることでしょう。

フカル川とクエルボ川の源流

セラニア・デ・クエンカ自然公園には訪れる価値のあるスポットが数多く存在します。 フカル川の源流を見るにはトラガセテまで行く必要があります。トラガセテは渓谷の中央に位置する美しい村で、クエンカ市からは65キロメートルほど離れています。源流に向かう途中、高さ20メートルの滝を眺めることができますが、その光景は実に圧巻です。滝の右側の上部に目をやると、古い風車があることに気づくはずです。 そこから車で30分弱移動するとクエルボ川の源流に到着します。ヤナギやセイヨウハシバミといった高木に挟まれるようにして小道が伸びており、それに沿って進むと二本の滝が現れます。一本目はやや小ぶりの滝で、これは次に視界に入ってくる二本目の滝の、いわば「前触れ」のような存在です。二本目は一年中いつでも息を呑むような滝ですが、雨の多い時期は特に壮観です。川の水が湧き出ている水源を実際に目にするには、この場所からさらに数メートルほど上っていかなければなりません。 

セラニア・デ・クエンカにあるクエルボ川の源流

エル・オスキージョ狩猟実験公園

910ヘクタールあるこの公園は、さまざまな動物種を研究・保護し、また国内の天然資源についての学びを深めることを目的に設置されたものです。イヌワシ、ハヤブサ、ハゲタカ、ワシミミズクといった多種多様な鳥類に加え、アカシカ、ヨーロッパ・ムフロン、スペインアイベックス、イノシシなどもここに生息しています。とはいえ、いちばん興味をそそられるのはヒグマかイベリアオオカミかもしれません。これらはいずれも絶滅危惧種に指定されています。入園するには事前予約が必要です。また、公園の自然保護官が率いる約3時間のガイドツアーに参加することもできます。子供にとっても大人にとっても最高のアクティビティといえるでしょう。

エル・オスキージョ狩猟実験公園

シウダー・エンカンターダ

滅多に驚くことがないという方であっても、クエンカのシウダー・エンカンターダに期待を裏切られることは絶対にありません。風・水・氷の作用により何千年もかけて徐々に形づくられていった奇岩のおかげで、ここには目もくらむようなスポットが形成されています。 高さ20メートルの一枚岩、「ローマ橋」と呼ばれる巨大なアーチ、「人間の顔」という名の岩など、この飛び地を通るルート上には全部で13枚の奇岩があります。 シウダー・エンカンターダの近くにはベンターノ・デル・ディアブロ展望台があります。フカル川の峡谷を望む絶景が広がっています。 

クエンカにあるシウダー・エンカンターダ

天然記念物に指定されているカニャーダ・デ・オヨス湖

この地域を訪れれば、クエンカとその周辺にはあらゆる種類の風景があることがわかります。カニャーダ・デ・オヨス湖は常在する七つの潟湖(せきこ)の集まりで、クエンカが誇る自然の驚異のもうひとつの例です。水深は4メートルから32メートルまでとまちまちです。 目を引くのは湖ごとにそれぞれ異なる色を帯びていることです。これは、水中に生息する微生物の作用によるものです。ターコイズブルー、黒、緑などがあります。一つひとつの潟湖をじっくりとご観賞ください。日常から数日間だけでも切り離されたいなら、クエンカには間違いなく、そのための方策がそろっています。 というわけで、もうおわかりですよね。荷物をまとめたら、さあ、旅に出発!

クエンカにあるカニャーダ・デ・オヨス湖